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[ インタビュー ] BudaMunk x Takumi Kaneko x mimismooth

来週29日(水)に発売が迫ったBudaMunk x Takumi Kaneko x mimismooth " First Jam Magic "についてインタビューを行いました。インタビュアーには、mistadonutこと橋本修氏を迎え、読み応えのある内容になっております。


【Hennessy artistry】において、昨年即興ジャム・セッションを披露したBudaMunk、金子巧、mimismoothの3人。このセッションをきっかけに、【ほぼ】ライブとなるセッション・アルバムをリリースする。

mimismoothのボーカルを軸にしながら、そのボーカルと金子巧の流麗なエレピ、その両者の素材を自由自在に調理するBudaMunkのプロデューサー/ドラマーとしての手腕を堪能出来る、実にスリリングな試みだが出てくるサウンドはスリルとはかけ離れた心地良いセッションになっている。

今回3人に話しを聞くことが出来る機会をいただいたので、それぞ
の出会いから、不思議な信頼関係そして、今回のセッションについて聞けるだけ聞いてみようと思う。

 


 


◎そもそも、今回のユニット(?)ってどうやって始まったんです?この3人が集まったのは【Hennessy artistry】のセッションが最初っていう認識なんですが。

金子巧:ユニットにしちゃうより、バンド的な感じでもいいんじゃない?
BudaMunk:うん。バンドでいいかもしれないです。ミミ(mimismooth)とそのバンド。

◎今回の「First Jam Magic」はブダ君にとっては初のボーカル・アルバムですよね?何か勝手の違いはありました?

BudaMunk:自分的には殆ど一緒なんですよね。ちゃんと巧さんとミミが乗っかってくれるんで。【Hennessy artistry】の時も一回だけリハーサルをやったんですけど、それもビートを用意して、その上に乗っかってもらうって感じだったんでいつものラップを乗せてもらうビートと同じ感覚で作ったビートの上に乗せて作ったし。そういう曲はアルバムの中にも1/3くらいありますね。

金子巧:あと、最初にシンプルなコードだけ入れていたりするものもあったよね。ベース・ラインだけ入れてあったり。そういうのも何曲かあった。

◎バランス的に、"take 3"や"first jam magic"なんかは完全にボーカルとして機能していて"sailing to the moon"なんかは逆に素材としてのボーカルだと思うんですが、そういったボーカルの使い方は意識的に分けてるんですか?

BudaMunk:そうですね。"early bird"と"260412"、"sailing to the moon"はフリースタイルで……これ、巧さんとミミが同時に録ってるんですよ。完全に一発録りです。その2人の一発録りの上に自分が音を重ねていくっていう今までとは逆の手法ですね。他は基本的に俺がドラムなりビートなりを用意した上に乗っかってもらってたんですけど。



◎金子さんとミミさんは【Hennessy artistry】の時が初対面だと思いますがその2人をつないだブダ君含め3人それぞれお互いどんな印象を持っているんです?

mimismooth:そうです。巧さんは【Hennessy artistry】の時が初共演というか、初対面でした。でも、初めてなのに全然不安がなかったです。ブダは子供が自由に裸足で泥だらけになって遊び回るのをつべこべ言わず傍らで見守る父親のような(笑)。はっきりとしたビジョンを持った職人でありながら、私のボーカルの自由なアプローチを素材として楽しんで活用してくれるかなりアーティスティックな料理人っていう印象です。

BudaMunk:俺はミュージシャンの人とやる機会ってなかなかないんで、一緒にやったら面白そうだな?って思っていたしちゃんとしたミュージシャンとちゃんとしたトラックメイカーの組み合わせは絶対に面白いだろうって思ってたから。自分では絶対に不可能に感じちゃうことをサクッと出来ちゃうんで、やっぱり凄いなって思いましたね。ミミのボーカルは声のあたりがソフトっていうか……それが合うんですよね。力が入ってガーーー!って歌う感じじゃないのがいいんですよ。強いボーカルじゃないっていうか。

金子巧:雰囲気モノに合ってるよね。今回一緒にやることになって、音に合った優しい声だな、って思った。ブダは会った頃にはもうトラックも聞かせて貰っていたし、7インチも出てて、文句ナシに格好いいなって思ってたから。これに俺が乗れば、乗るだけで格好いいだろうって(笑)。だから、乗せてってお願いして。

mimismooth:普段というか、大体は先に楽曲があってリハーサルを重ねアレンジを決めてライブ本番となることが多いですけどこのユニットではむしろ、リハーサルなんかやらないほうが良い。ある意味、刹那主義というか(笑)。曲もライブ中に作りながら展開して、流れで。そういうライブをリラックスして出来るところがこのユニットの魅力だと思います。

◎金子さんは普段、生のドラマーと一緒に演ってるわけですけど、そこに違いはありました?

金子巧:殆ど感じなかったですね。基本、今回はドラマーとして存在してくれていたし、それに凄い個性の強いドラマーじゃないですか?すぐにブダのドラムだってわかる。だから、そんなに俺は違いを感じていなかったし、プレイも普段と変わらないですよ。自分に出来ることをやっているだけで。それが混ざったらこう聞こえるっていうことですね。

◎じゃあ、逆にバンドじゃないからこそ出来たことはありました?

金子巧:もしかしたらそれが全体……というか今回の作品なのかもしれない。ブダがビートの上にワンフレーズ乗せて、それがワンセットになっているものに乗せていくっていう課程は初めてのことだったかもしれないですね。

BudaMunk:ライブでMPCを叩くっていうこと自体が生まれて初めてのことだったので、本当にチャレンジだったんですけど、すごくいい経験でしたね。自分でもびっくりしました。

金子巧:俺もびっくりしたよ(笑)。歌の終わりで演奏していて「あ、なんか俺のコード変わっていってる」って。俺、よくやったな?偉いぞって(笑)



◎あくまでも今回のユニット/アルバムはジャム・セッションの延長線なんですか?

BudaMunk:うん。本当に【Hennessy artistry】でのセッションが始まりで、それが良かったんで、そのノリのまま作っちゃったんですよね。巧さんは本当にワンテイクでしたね(笑)

金子巧:スタジオに入ったのも、その直後だったしね。しかも、本当にワンテイク。OKの判断を全部ブダに任せちゃったからね。そうすることで、統一したカラーを出したかったし。

BudaMunk:本当は最初、フリースタイルで適当に弾いてもらって、良い部分を切り抜いてそれをサンプリングみたいな感じで組み直して欲しいって言われていたんですけど、俺はもっとこう、ライブっぽく、頭からケツまで弾いてもらって、それをそのまま使うっていうのをやりたかったんで。

金子巧:今回はそのコンセプトに乗ることが楽しかったですね。作り込むのはみんなやるじゃないですか?作品として。そうじゃないのに、作品としてまとまって聞けるっていうのは自分でも今までなかったから。

mimismooth:【Hennessy artistry】のセッション時もそうでしたけど、あえて打ち合わせをせずに3人感じるままに音を作って行くというのがアルバムでも全曲に共通するスタンスだったと思います。
歌詞やメロディをあらかじめ用意するんではなく、まずブダ、巧さんの出す音作る音を聴いてその場でポンポン湧き出た言葉をどんどん膨らませて、ストーリーにしていく、という感じで。歌詞のある曲そうじゃない曲もあえてゴールを作らずに感じるままに歌わせてもらいました。

金子巧:そのコンセプトでいこうとか、そういうことを決めることが本当に大事であって、その辺はさすがブダPですよ(笑)

◎先の【Hennessy artistry】や、この前の【Batica】でこれに近い形態のライブをしたみたいですけどそれは今後に繋がっていくんですか?このユニットというかプロジェクトの今後はどう考えてます?

BudaMunk:Baticaのライブの時は3人に元犬式の石黒さん(石黒祥司)がベース、仙人掌がラップで参加してくれて5人編成だったんですけど、今後ライブはその5人でやる予定はあって、自分としても石黒さんも一緒にやってくれるならバンドとして、という方向性もありかな?と思ってますね。自分はそういうバンドとしてのライブは初めてだったんですけどすごい楽しかったですね。自由自在じゃないですか?ドラムを打つタイミングって。だから、実際にDJとか、ビートをライブでかけるのとは全然違って周りの様子を気にしながら合わせるっていうこと自体が初めてだったんで。

金子巧:完全にドラマーだよね。

BudaMunk:ドラマー……の代わりをやっているっていう感じですね。MPCで。


 


 


Interview by 橋本"@mistadonut"修
https://twitter.com/mistadonut

Hennessy artistry
http://hennessy-artistry.jp/session/08


BudaMunk x Takumi Kaneko x mimismooth
" First Jam Magic "
Jazzy Sport / JSPCDK-1016
Out on 2013/05/29(Wed)

First Jam Magic - BudaMunk x Takumi Kaneko x mimismooth

参加アーティスト :
元晴[ SOIL&"PIMP"SESSIONS / (仮)ALBATRUS ]
"Lord Zen" R.ēL.Z.M. [ Visionaries ]
mabanua [ origami PRODUCTIONS / Ovall / Green Butter ]
仙人掌 from MONJU [ DOWN NORTH CAMP ]

Hennessy Artistryでのセッションから始まった至高のジャム・セッションを元に
一夜限りの邂逅で終わるはずであったドリームチームがまさかのスタジオレコーディング。
異業種とのコラボレートも多いBudaMunk、金子巧、2人の職人が迎えた
mimismoothのボーカルを様々な角度から捉えたことで起こる科学反応は
時に緩く、時に緊張感を含みライブならではの空気感を堪能出来る。
- 橋本"@mistadonut"修 -

◆TrackList
01. early birds
02. take 3
03. first jam magic feat. 仙人掌 from MONJU
04. yumeka makotoka (remix)
05. i wish (day dreaming)
06. 260412
07. ripe berries feat. "Lord Zen"R.ēL.Z.M.
08. slow
09. mellowed out cruisin'
10. mermaid's affair
11. said yes
12. sailing to the moon